Profession Journal <新連載>「”国際興業事件”を巡る5つの疑問点~プロラタ計算違法判決を生んだ根本原因~」【第1回】を投稿しました。
国際興業事件の最高裁判決では、配当を行う子会社の配当直前の利益積立金がマイナスである場合、減少する資本剰余金を上回る「払戻等対応資本金額等」が計算され、その結果、利益剰余金を原資とする部分の一部まで資本の払戻しとして取り扱われることとなるため、「払戻等対応資本金額等」を算定するプロラタ計算の法人税法施行令(法令23①三(現行四))は、法人税法の趣旨に適合するものではなく、同法の委任の範囲を逸脱した違法なものとして無効であるという結論が導かれました。本件でX(原告、被控訴人、被上告人)は、米国に所在する子会社から、資本剰余金を原資にする配当と利益剰余金を原資とする配当を同時に収受したのですが、この場合のXのみなし配当(法法23の2により益金不算入となる)及び子会社株式の譲渡損失(当然に損金に算入される)の計算方法が争われたことになります。このように、資本配当と利益配当を同時に行うことを混合配当と呼びますが、筆者は、このような混合配当の問題に加え、そもそも外国法人が行う剰余金の配当等には、根本的な問題がいくつか潜んでいると考えています。そこで、これらの問題点を5つに分け、Profession Journal上で4回にわたり連載いたします。第1回は、《疑問点1》利益積立金がマイナスの法人が何故配当することができたか、《疑問点2》プロラタ計算の分母は、払戻し等の直前の株主資本の状態を示しているか、の2つの疑問について検討いたします。詳しくはこちら<★>(閲覧には会員登録が必要です)。