Profession Journal <判例・裁決例から見た>国際税務Q&A【第11回】「外国関係会社で損失が生じた場合に、その損失を内国法人の所得から控除することは認められるか否か」を投稿しました。
今回からいよいよ外国子会社合算税制に係る裁判・裁決例を取り上げます。従前この分野は「タックス・ヘイブン対策税制」と呼ばれておりましたが、平成29年度税制改正において、外国子会社を通じた租税回避の抑制を目的とする「外国子会社合算税制」を総合的に見直すという方針が打ち出され、『BEPSプロジェクト』の基本的考え方を踏襲して、経済実体のない、いわゆる受動的所得は合算対象とする一方で、実体ある事業からの所得であれば、子会社の税負担率にかかわらず合算対象外とするという、「外国子会社の経済実態に即して課税すべき」との原則が示されたため、それまでの名称を改め、本連載においても、外国子会社合算税制と呼ぶことといたします。このように、平成29年度において大幅に改正された制度ではありますが、 外国子会社を通じた租税回避を防止するという基本的コンセプトには変わりなく、したがって過去の裁判例・裁決例の分析は引き続き有効であると考えます。本制度によれば、一定の要件を満たす外国子会社の留保所得は日本の親会社の所得に合算され、日本で課税されることになりますが、同じ子会社が損失を計上した場合はどうなるか、損失の親会社所得からの控除が認められるかが問題となった裁判例<双輝汽船事件最高裁判決>を検討いたします。詳しくはこちら<★>(閲覧には会員登録が必要です)