シリーズ:第三者委員会報告書を読む
少し前の事件となりますが、「第三者委員会調査報告書を読む」シリーズ第1回目として、ジャパンディスプレイ(JDI)が本年4月13日に公表した同社の第三者委員会報告書を取り上げます。本件は、事件が公になった直後に不正首謀者が自殺したということで、FACTA2020年1月号で「JDI『リアルサスペンス劇場』」というタイトルが付けられたほどインパクトのあるものでした。しかしながら、上記報告書による不正会計の中身は拍子抜けするほど単純でお粗末なもので、これでよく監査が通ったものだという印象は否めません。筆者の会計監査の経験から、むしろこれを見逃した会計監査人の責任は重大というように思い至り、上記文書(PDF)をまとめた次第です。さらに、上記報告書は、かの第三者委員会報告書格付け委員会において、過去に例のない最低評価が付されている(*)ほど、(ボリュームはあるものの)読みにくい報告書となっており、委員会の委員の今後の奮起を促す意味でも、重要な事案であると考えます。