ベルギー退職年金申請マニュアル

本Web管理者も65歳となり、ベルギー退職年金受給年齢に達しましたので、同年金の受給申請手続きを行いました。本稿は、今後同年金の受給を申請する方々のご参考となるべく記載しております。ベルギー年金の申請は、管理者が同時に進めたフランス年金の申請に比べ、記載が比較的容易で、添付書類も少ないため、それほど困難ではないと感じております。なお、管理者自身、申請書類を提出した直後であり、未だ受給には至っていない点ご留意いただければ幸いです(以下の記載は現段階では未だ成功例ではないということになります)。今後ベルギー当局から何らかのリアクションがあった場合や、実際に年金受給開始となった場合には別途報告させていただきます。

1.ベルギー退職年金受給資格対象者

2007年1月1日の日白社会保障協定発効前にベルギーに赴任し、我が国とベルギーの双方の社会保障制度に加入し、いわゆる社会保険料を二重払いしていた方が対象です。同協定発効前であっても、ベルギーの社会保障への加入が免除されていた方(ベルギー支店の駐在員等)は、受給資格はありませんのでご留意ください。

2.ベルギー退職年金申請書の入手

ベルギー退職年金(申請は遺族年金も含みますが、以下の記載は全て退職年金を前提としております)受給申請の日本側窓口は、居住地の年金事務所となります。申請書類は日本年金機構のHP<>にありますが、各書類等のリンクを貼っておきますので各自ダウンロードしてご利用ください。①日仏版、②日蘭版、③記入要領、④添付書類

協約相手国別の注意事項はこちら<> なお、各年金事務所は、単なる申請窓口なので、申請書の記載方法や添付書類の内容について問い合わせても、何も回答してくれません。

3. ベルギー退職年金申請書の記載上の注意事項

① ベルギー社会保険番号の記載(日仏版では最初のページ冒頭、「NISS」と表記):ベルギー赴任時の社会保障番号なので、おそらくこの項目が申請書の記載の中で最もハードルが高いものと思われます。ベルギー赴任時の給与明細等はお手許にあるでしょうか? 管理者の場合2回目にベルギーに赴任した際の給与明細を保管しておりましたが、そこには蘭語で「Rijksregisternr.」と表記されていました。実は、ベルギーの社会保険番号の最初の6桁は、被保険者の生年月日のようです。管理者の場合1957年生まれなので、同番号は「57MMDD-XXXーXX」(Mは月、Dは日)です。最初の6桁が自身の生年月日と一致していれば、番号は間違いないと思います。ちなみに、お手許には資料が何もない、という場合は、かつての赴任先に問い合わせてみては如何でしょうか?

② 「7.ベルギーでの就労に関する情報」(5ページ目):就労の種類(仏:Qualite)については、多くの駐在員の方はSelf-Employedのステイタスだったと思われますので、「(仏)Travailler Independent」と記載いただければ宜しいかと存じます。 Self-Employedではなかった方は、「(仏) Travailler Salarie」と記載ください。 

③ 「8.申請者の就労又は受給中の社会保障給付に関する補足情報 b)他の年金」(6ページ目): ここはベルギー以外の年金受給状況を聞いていると思われます。管理者の場合、我が国厚生老齢年金の特別支給部分を既に受給しているため、「はい」にチェックし、機関については、「Japan Pension Service」としました(住所は杉並区高井戸西3-5-24)。

4.添付書類

退職年金を申請する場合の添付書類は、①戸籍抄本(配偶者の記載があるもの)、②基礎年番号がわかる書類、③共済組合員機関がわかる書類の3つです。管理者は②については年金手帳のコピー、③について(管理者は任期付公務員をした経験あり)は、最近年金受給に関する書類が届いていたので、そのコピーを添付しました。

5.年金事務所への提出

上記書類を持参し、過日、年金事務所を訪問し、書類を提出いたしました。既に述べたように、年金事務所側は申請の詳細は分からないので、「書類を受け取るのみ」という姿勢を強調されておりました。なお、受領書の類は基本的に出さないということでしたが、申請書表紙のコピーに受付印を押したものは出せるとのことでしたので、それを頂きました(他の年金事務所で同様の対応をされるかどうかは分かりません。)

以上、ベルギー年金の申請を行う皆様のお役に立てれば幸いです。ご不明な点がありましたらお問い合わせください。

(文責)公認会計士・税理士 霞 晴久

 

Follow me!

ベルギー退職年金申請マニュアル” に対して2件のコメントがあります。

  1. 林 稔 より:

    霞様
    海外の年金申請に関し、ベルギー、フランスと非常に参考になる情報をありがとうございました。
    私も霞様同様、社保協定前に両国4-5年間駐在しておりました。私も65才になりましたので、そろそろ申請を思い立ち情報を集めている中で霞様のWebPageにたどり着きました。両国も受給までには相当時間がかかるようですが、気長に申請手続きを進めてゆこうと思います。霞様の本件続報があれば、是非またWeb上にあげていただければ幸いです。楽しみにしております。海外年金手続きに関しては、情報も少なく本当にありがたい情報でした。心より御礼申し上げます。 林拝

    1. 林様 ご丁寧なご連絡を頂きまして有難うございます。私自身、特にベルギー年金の受給には結構苦労いたしました。その間の事情も本ブログにアップしようと考えておりましたが、日常業務でバタバタしており、果たせず、申し訳なく思っております。本ブログが貴職の今後の申請に役立てば幸いです。 霞 晴久

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です